エフェメラの胎動

おまじない

 

駆引の延長線上にある水平の上に

君が翳した分度器が沈む

 

眼球がきちんと瞼に仕舞われているかわからなくなって

歯が抜ける夢を観て

立っているのに足が浮くような気がして

上と下と前と後ろが渦を巻いて

確かめる指先だけが鋭利

 

しなやかな背骨に歯を立てた

軋む小さな音が聞こえた時に

ひと匙分の血液が弾けていく