2022-05-25 ■ 駆引の延長線上にある水平の上に 君が翳した分度器が沈む 眼球がきちんと瞼に仕舞われているかわからなくなって 歯が抜ける夢を観て 立っているのに足が浮くような気がして 上と下と前と後ろが渦を巻いて 確かめる指先だけが鋭利 しなやかな背骨に歯を立てた 軋む小さな音が聞こえた時に ひと匙分の血液が弾けていく