エフェメラの胎動

おまじない

エヴァーエンドラストエイジ

 

君の残り香がここにあって

思い立った指先が空を切る

瞼の裏に反響する低い音が

静かな地響きに重なっては

ミルクみたいに溶けていく

甘い匂いがする夜更けの風

眼鏡の縁に当たる信号の光

が、紅く火照る頬を隠した

あと何回、あと何回ならば

僕を許してくれるのだろう

散り散りになった意識の先

チカチカと光る、星の行先

折れた襟を直す仕草だけが

何よりも正しい事に思えて

僕は目を瞑るしか無かった