2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
夏の夕暮れ生ぬるい風に 思い出す 思い出せないことを 0時を過ぎればまた 変わらない昨日 置き放し割れたグラス 漏れ出す 真っ青な約束 そんなのぜんぶ どうでもよかった
夜なんて簡単に酔える 大きな黒い幕を吸い込んで すこしの氷を齧ればいい 簡単だ 午前一時は簡単な悲しみだ 毎晩を吸い込んで 身体に回る黒を舐めつければいい 苦いのは自分のこと 古くなったラジオ 下手くそな異国語を瞳の後ろ側に通している
帰り道、途端に歩けなくなることがあるのです 自動販売機の薄汚れた電気を浴びた蛾がじいとしています 蛾は蝶であり 蝶は蛾ではないのです 火花の音を思い出します 曇った夜には意味のない行為ではありますがふうと息を吐く 途端に歩けなくなることがありま…