エフェメラの胎動

おまじない

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

僕のこと忘れて欲しい病葉よ春雷を待つ新芽のために

悲しいと言えば簡単で聞こえの良いこの感情は、 決してその一言では済まない代物だ 脇道に寄せられた汚い雪が腐っていく 耳を澄ますと、その断末魔が静かに響き渡る 僕というものは四六時中冬を考えている 生クリームが乗せられたココアの 白と焦茶の境目が…

tumbling,ing

足の底から冷えていく 虫の死に際の羽音が 火花のように季節を終わらせる 朝と夜に凭れ続けて 真昼を知らなくなっていく 氷の入った水を飲み干していくとき 透き通った管が身体を巡ることを知る 小さな氷塊が溶け出していて 朝焼けの湖の水面の煌めきを まる…