2019-01-01から1年間の記事一覧
片道分の汽車の 車掌を睨む
透き通るような白い肌を薄く桃色にして雨が強く降るのを待っていた 傘が蝙蝠のように翻る駅前で じぃとあなたに沿うように 赤いポストは雫に濡れていた するりとした石の通り 滑る靴が緊張させた 静かに拡がる水の溜まり 優しく叩きつける飛沫 黒いタクシー…
貴方の好きだった夜は消えました 煌々とする電飾に脅かされています 平坦を 安寧を 冷えた指先の感覚で 触れられなかった 呼吸が線を繋ぐように 爪先が波を泳ぐように 落ちた花が開くように 洗われている 顔の横で話さないでくれ 眩しくて眩眩する どれだけ…
貴方の名前を知ることで 貴方を知った気になって居る 開かれた窓にカーテンが掛かる 届くようで 届かぬ歩幅 いっそ獣に 成ってみようか 覆い尽くす影と温度 貴方がその戸を拓く時 私はそれを知ってはいけない 虫の鳴く声 何処にいるのでしょう
詰まった管に通す針 細いね 風は薄く音を立てる 呼気が映す白 溜まった紙袋 時間がとてもかかってしまったよ 当たったグラス同士は 片方が割れる 淀色の皮 待つ背中
ちび電球を煮詰めると ことこととおとがする