彼女は泣いておりました 母が悲しいお話をするので いくつも夢をみましたが 幾千の星には届きませんでした 彼女は泣いておりました 雨にふやけてしまった本を暖炉に翳しながら 猫は振り向かず歩きます ひとりで居たいのです 彼女は泣いておりました ラブレタ…

揺れる蛸 歓迎されなかった固有名詞は どこへ向かう 1.7メートル毎秒のぬるい風 隠れ場所の外階段は濡れて 待ち惚けの僕 引っかかって抜けた白い髪を 食んで もどってゆく細胞 あと15分 冴えてしまった深夜の意識を抱えている o beata solitudo , o sola bea…

沖にいる君を救命ボートにて迎えど珊瑚の墓標と出会う 冷えた朝 頭が下で足が上 先生、私は時計が読めぬ 壁際に張り付く小さな意識にて 昨日の晩は何をしていた 変わり目は少し具合が良くなくて全体的に白っぽいから

透明で 青い 反射する かみさま