エフェメラの胎動

おまじない

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

水族館の帰り道

ダイビング 部屋のランプを青色にして 鮫の縫い包みを枕に 破けた布団の羽毛を吸い込んで 溺没 水の音が段々血の音に聞えてくる 絶え間ない煽情 何処にいるかわからなくなってくるから 肌に爪を立てていた 違うことにした 見ないことにした 派手な電飾の繁華…

アマチュア無線部

爪の裏側は甘いのだなと思った 媒体を通して通信する僕たちの電波 伝播 広がる詩体 転がる肢体 夏は檸檬の紡錘形 にやりと笑う君を横目に 僕は一杯の紅茶を飲み切れず流す 砂糖 解毒 回転する十字路

sorrysosorry

今日は久しぶりに月が見えたよ そういえば、いま月が見える時間、外にいないことが多いな 自分で忙しくするのは癖だけど、 何かに忙しくされるのは嫌だな 部屋がまた、汚くなった ゆっくり片付ける時間がないな 時間がないな 私もみんなも せかせかしてると…

7分30秒と沈黙 (傘と包帯 第4集)

https://note.mu/kasatohoutai/m/ma634d9704f40 寄稿 主催 早乙女まぶた 様

♡Aだけのトランプ箱

赤い彼女は、マークジェイコブスの鞄を被っている 透明な約束 小さな冷蔵庫に、白桃のゼリーだけが入っていた 溜まっていく無料のスプーン 指輪入れのワイングラス リボンを折りたたむ時だけ レースを結ぶときだけ 少女になれた 割れた香水瓶を 灰皿にして

必要事項

⑴ 消音 ⑵ ふた口分の水 ⑶ 想像の想像 ⑷ 花 ⑸ 冷えた窓 ⑹ 昨日の夢 (覚えていなくてもよい) ⑺ 爪 ⑻ 電灯 ⑼ ベッドとカーテンの隙間 ⑽ 白い画用紙

小さい頃ママに付いていったスーパーの海鮮売り場が嫌いだった

まるいちきゅう マルイの地下の 生鮮食品売り場にある 魚の丸い目 焦がれていたのでしょうか 見つめて動けずにいた 冷えた鼻先 匂う終わりに

墓地@郵便局

こんばんは。 なんだかついこの間まで暖かかったのに 途端に冷えた風が吹くようになります。 そちらはいかがですか? この前は、電車に乗っていたら窓に小さな犬が二匹 空が真っ白でいい天気ですね 牛乳は好きですか?僕は好きです。 この前コップを落として…

読み込みを待つほどの

プラズマ 光る 1 深海だと仮定してみよう 浮かぶデスクトップの青 回る 回る 犬 液晶 反射する01秒

‪なんだか今夜は明るかった。 眼鏡を失くしてよく見えない目に、薄っすらと輝いているぼやけた星が、なんだかさみしくてちょっとだけ胸がきゅうとなった。 なんだかいつか、空一面にきらきらとひろがる綺麗なものを見た記憶がある 時間か、私か、わからない …

三稜鏡

明らかにきらきら 参る 瞼がチクチクと 侍らせて 撫で付けて そのまま溶かして 浮遊する熱帯魚 極彩色の多面体 明朗 時に迷路 伸びた爪が するすると這う 罅割れた靴底