ぼくが一遍の詩を書いても
君は読んではくれない
君はあたまがいいから
詩なんか読まない
瑞々しいつぼみや
雲のかたちや
甘い土のかおりにも
振り向いてはくれない
ぼくがうたうとき
ぼくだけが
ぼくのいのちの承認者である
ぼくが今夜ねむるとき
今朝のつぼみは花を咲かせる
忘れてなんかいないのに
知らないみたいな顔をする
つうんとした鼻筋を見ると
目の奥が蠢くんだ
静かに粟立つ波の奥に
きみを突き落として
うたいながら散歩しよう
死んだきみの星座を作ろう
ぼくが今夜ねむるときは
いっとう輝く星たちが
君の懺悔を赦すだろう