エフェメラの胎動

おまじない

潮彩オルゴール

 

 

 

振り返る

 

風の行先を追った

翻る爪先にワルツを浮かべて

オレンジ色の毒が湧く

 

くすねた花束を持って

小さなあたまが影に揺れた

 

飛び跳ねる

 

三つ編みの結いが解く

赤らむ頬を晒して

全てで毒を飲み干した

ぴりぴりと弾ける

 

鼓動が怖くて何故泣くのだ

わたしの音が耳を覆うのだ

 

陽に晒した掌の

赤が視界に溢れて溢れる

見たことない海の味がした

 

 

 

 

 

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(過去寄稿)