エフェメラの胎動

おまじない

 

 

 

落ちる夕陽を眺めて口を閉ざした

たまに思い出して欲しかった

濁った水溜りに靴を湿らせて

安堵する自分が馬鹿みたいで

私の眼と同じ色をしているそれが

指の腹にさらりと泥を塗る

水槽の金魚でさえ

僕よりも自由にみえた

ここはあまりにも狭すぎる

ここはあまりにも