寝てないよ涅槃だよ

おまじないと詩歌とメモ切れ

クラッカー

なんだかぼくらは これをしってる みっつじゃなんだか多すぎて ふたつじゃなんだかさみしくて ひとつじゃ必要にならなくて だからそのままぽつんとしてる 鳴らすとおおきい音がする 引き出しの中でひとりぼっち 使われなかったクラッカー

答え合せ

偶数と奇数のあいだのろまんすとかきましたが はたしてきみはどの数のあいだにいるのだろう 3と4なら干したてのタオル 8と9ならノートの罫線 2と5ならきっとやえばの隙間 ろまんすはきっと 真後ろにいる

特急券

偶数と奇数のあいだのろまんすを 疾るあなたがいそがしくゆく うたよみんより

エコー

ひそひそ ひそひそ みみもとでさわがないで おしえて おしえて 苺がなんで赤いのか 爪がどうして白いのか 鯨はどうして青いのか 水飛沫、泡沫 石鹸の泡の胎盤

おやつのじかん

腐った肉が落ちていて なんだかこちらを見ているけもの 黄色い眼球を突き抜けた針状のもの しらない歯が欠けていた 分裂する双方向 昼間のけもの のたうつ毛玉

風呂場に窓は必要かという研究結果

浴槽に顔を沈めている 窓の桟がとても汚れている 飲んでもよいもの 入浴剤 シャンプー 化粧落とし 固形石鹸の 削られた溝に 胞子を飛ばそう 天井にシャワーを当てて 冷えた水滴を浴びる 花が咲いた こちらを見ている 窓の外は 真っ赤な壁で じいっとしている…

一丁目のボス

4:59:59 目覚ましの鳴る前におきた 勝ったぞ 今日はぼくのものだ 鳥さんおはよう 調子はどうだい 三丁目のトラがまたいろいろしてるって もうつついてやれよ あいつにもおんながいんだって おまえはおひとよしだな いやおとりよしか?おねこよしか?…

避雷針

‪コインランドリーにいぬを、洗いにいった‬ ‪外でねこが見てた ‪ねこをカラスが持ってった ‪あ、食べられちゃう ‬ ‪乾燥に入ったぼくのいぬをちょっと待っててねと 追いかける‬ ‪あら でも ‬ ‪なんで食べられちゃうと思うの?‬ ‪空高く飛んだねことカラスを…

プレビュー

死んでいる なんかがあそこで死んでいる 息を絶えている 遺棄を 放ったのはだあれだ マスクが白い 白い 白い息を吐いた 排他 だれも来ないで だんだんねむいね ねむいね

餞別

君に唄を書いた 誰も知らない 誰も知らない唄を きっとみんな知らない 机の上に書き置いた一枚の便箋に 一行の詩と 三行の懺悔と たった四文字のまぎれもない言葉を 君のために残したことを 忘れて仕舞えばいい そのまま忘れて仕舞えばいい 君も知らない き…

キラキラ

好きな人が好きだった人はきらい 好きな人が嫌いな人も多分きらいで 好きな人が好きな人ももしかしたら、きらい

等式

宇宙についてかんがえながら 目覚ましを止めている 宇宙についてかんがえながら 顔を洗っている 宇宙についてかんがえながら カップラーメンを食べている 宇宙についてかんがえながら 時計を見ている 宇宙についてかんがえながら 食器を洗っている 宇宙につ…

かなしくなっちゃいけないから 目を見開く 乾いた眼球になんだか悪そうな雨粒が ダイブする 曇ったレンズ越しの 飛行機の音 飲み込んだホチキスの針は 魚の骨と変わりない 刺さる蛍光灯が痛い 痛い

ダイブ

スカート丈 2cm 詰めたら 飛ぶよ

ネイビーブルー

家を出る1分前までベットに潜る僕は多分すごく怠け者 華麗に変身パパッといつも通り 布団の匂いが恋しいけどただいままで待っててね きょうもさむいなあ いってきます

不和

好きというきもちに 恋心と名付けた人を 殴りたい

ログイン(ROM専)

なんだかどうでもいいはずのことに時間をかけて そんなにきもちいいわけでもなくて ただただ秒針がゆれるのを眺めている 病身単身で心身不在のこの駅から24分の小宇宙は 飾り気の無い意義の無い生を全うするためだけに在る 異議はあるんですけどね(笑)って言…

酸化

なんだか久しぶりに恋をしたかのような赤い頬の君は 冷めきった湯船に顔を埋めて波紋を読んでいる 火照った指先の血の色を口に含んで 鉄の味を思い出すんだ 換気扇の騒々しい音が 子守唄なのでねむたくなってくる このまま目を 覚まさなければ 明日はきっと …

シンスイという言葉における

表紙の折れた漫画雑誌を海に浸してみるんだ 泣いた君のえくぼが小さな海になっているんだ 淡水魚が海に憧れている なぜだか知っているかい 青い水がどこから湧くのか ぼくだけがしっている つまさきの色が水面に感染る 少しだけどあからんだ下くちびる そこ…

ノルアドレナリン

スプーンの先にこびりついたものをながめてる そこにぼくがいる そのなかにきみがいたりする だいたい右手のなかゆびの第二関節くらいまでのぬるぬるしたようなさらさらしたようなものがきみ きのう落としちゃったたまごがキッチンで泣いてる カラが混じっち…

氷柱

そこに嫌いな君がいるっていうだけでとくにどうもしないんだけど でもなんだかやっぱりちょっとむかつくから消えてほしい気もする 気づいてほしいっていうきもちだらっだらに垂れてて醜いね そこにしっぽたれてるよ 踏まれてぼろぼろだね 友達申請を承認され…

いいこといろいろ

雨が降っているよ 遠くの空で降っているよ 遠くの空ってどんな空だい 君の知らない空だよ よーく耳を澄ますとね 聞こえるんだ アスファルトの濡れたにおいが鼻に付くだろ そうすると水溜りがゆれるんだ ゆれるとどうなるんだい どうもしないさ ただもう半分…

月を

紺色の布の上に乗っているスパンコールか 紺色の布にぽっかり空いた穴から見える金か

類似

簡単な口で 簡単な歌詞で 簡単にパンクをして 中身のない言葉で 空っぽだったじゃないか 霧の日 虚しさ ぼんやりした影は 息を吹きかけて 死んだ

エラガバルス

どんなものだろうとみんな中身は赤黒くテラテラした生臭い内臓が蔓延ってるんだという、こころ

ACT.2

コンピュータのルーターの無数の穴が窓のようにこちらを見ている ビルの影が上から下から、 君を冷やしていくのがまるで水のようで 空気とあわ立つ境目を はさみで梳く

B0.5

画面を少し斜めにして見る タッチパネルとその下にあるディスプレイ 狭間に想いを馳せてみる 真ん中にある 空間に眠ってみる

粉々

線路の上を飛び回る蝶の自由 横から眼に入る目玉のようなライトの照らす先 鱗粉

滲む

青と橙のコントラストに濃く色づく夕日と その上にひとつの飛行機雲が伸びる 目に焼きついた光の痕と 波打つ雲の額縁 雲の翳りに滲んだ日の色が 消えるその瞬間 一度強く空を照らして しぼんでいく 最後に残した色を 雲がまた滲ませる 夜が広がる 君は行った…

級友

幸せ 小さな校則違反 スカートを折る放課後 色つきリップ 磨いた爪 隠れて開けたピアス

乳白

白い短冊の傷口 腫れた軟骨の蓮の花

午後

すきなひとのなまえをぬれたまどにかいてきすをした

就寝

譲渡 手渡し 放棄 外にいる 無視 通り過ぎる 委託 囲まれている 懇願 存在の処分 本当は ママと喧嘩した夜は寒い

世間

チョコレートボンボン 早すぎた背伸び ロリポップの裏には 君の抜けた歯

飽和

牛乳にとろけていなくなりたい君はコップいっぱいの白さを飲み込む

伝言

「世の中には知らなくていいことと知ったほうがいいことがあるはずなんだけど、私が知って良かったと思うことは大抵が知らないほうが幸せになれたかもしれないことだったんだ」

蒸発

炎天下には足りなくて 冷夏というには何かが多くて 高く鳴るのは足音だけで 踏んだ跡には折れた花 水を 酸素を 血液を ピアス 流れ出るのは膿 曲がった小指

衰退

「なんだか悲しいんだ」 「探してたんだ」 「目を凝らしていたんだ」 「手元の灯りに気を取られてたんだ」 「夜が見えなくなったんだ」 「クモがはっている」

燦然たる

夜更けの波が音を打つ 群青の彼は唇を噛み千切って海になった

ダム

壊れたテーブルに垂れた化粧水が冬みたいだった 今朝は雨だったかい 傘をなくしたかい もしもし もしもし 半分残った缶ジュースから 橋の下の水溜りから 口に溜まった鼻血から

化学式

中身は腐っていた 夏は暑い 気温と日差しで溶けたのだろう 中身は腐っていた 夜の空気で目を洗う 爪は白かった 見えない君が 全部殺したいというから 僕は笑ってそうだねと答えた 君はあまりにも淡すぎた 真白になる

暑中、見舞

ある日の私は劣弱であった 認められることと 恥を掻くこととに 苛まれ 他人を疎ましく思う劣弱であった ある日の私は懺悔であった 生きてきたこと 生きながら何もなし得ないこと いま在る全てへの懺悔であった ある日の私は嫉妬であった 他人を眺め 自分より…

残夏

閉じ込められた蠍のキーホルダーを持っている 小さな古着屋さんで買った 飴色のキーホルダー 私はそれを鞄につけて ゆらゆらと 自分が人間であることに憤怒し 後悔し それでも閉じ込められた蠍は いまこれから動き出すことはなく ただただ飴色に包まれて こ…

酸欠

ドラッグ 霧の通学路 切り裂く遅延電車とコール 黒髪を靡かせた少女は なんて幻想も甚だしく 傷んだ茶髪と校則違反のピアスが きみにとっては救いなのだと 向かいのホームのセーラー服の彼女に 嫉妬して 切なんで 諦めて 悲しんで 穴を埋めるようにスカート…

冷風

すべての器官に 入るもの入るものすべてすべてに 苛立ちを 情けなさを 憤怒を 切なさを 感じて ただただ 君の笑顔は宇宙のように 宇宙のように残酷で ブラックホールのまんなかに 張り付いて ぼくがそのままいなくなってしまえればいいのにと バイト終わりの…

海底

どこかの誰かの知らない青色がぼくの心臓を抉ってぼくの目を潰してぼくの鼓膜を破ってそんな醜い青を見せないでくれ海の底の深くの青

兆候

廊下にふんわりと佇む夏のにおい ヨーグルトみたいに冷たく はちみつみたいにとろりと 湿った空気 窓はもう閉めよう 虫が入ってきてしまう前に

灰砲

そんな世界に絶望している自分に絶望しているそんな自分を愛せているんだよ目も耳も口も自分のものでさえなにが正しいかわからなくて 放出言葉の不法投棄校庭に溜まった水たまりの残り私の原子は本当に存在してるのか冬の次は夏だ