エフェメラの胎動

おまじない

墓地@郵便局

 

 

 

こんばんは。

なんだかついこの間まで暖かかったのに

途端に冷えた風が吹くようになります。

そちらはいかがですか?

この前は、電車に乗っていたら窓に小さな犬が二匹

空が真っ白でいい天気ですね

牛乳は好きですか?僕は好きです。

この前コップを落として割りました

いい天気ですね。

手紙を書きます

僕は書きます 書きました

もうどこにも行けないように

何一つ書かれていない真っ白な封筒に入れて

ポストへ入れていきます

 

 

 

 

 

‪なんだか今夜は明るかった。

眼鏡を失くしてよく見えない目に、薄っすらと輝いているぼやけた星が、なんだかさみしくてちょっとだけ胸がきゅうとなった。

なんだかいつか、空一面にきらきらとひろがる綺麗なものを見た記憶がある

時間か、私か、わからない

少しだけ緑色が掛かっていたような そんな気がする ‬

なんだか空ばかり見ているようで少し恥ずかしいが 

夜の空は綺麗だ

 

 

 

三稜鏡

 

 

 

明らかにきらきら 

参る 瞼がチクチクと

侍らせて 撫で付けて 

そのまま溶かして

浮遊する熱帯魚

極彩色の多面体

 

明朗 時に迷路 

伸びた爪が するすると這う

罅割れた靴底 

 

 

 

 

 

 

 

 

美しい人が、好きだと思う

 

顔や身体でなく、たとえひたひたに隠しても滲んでくるような「うつくしいひと」が好きだと思う

 

言葉や、所作や、髪や そんなところ

ふんわりとかおる「うつくしさ」が好きだ

 

完全にわたしの物差しであって、わたしの「うつくしい」の感覚である 

 

レースのカーテンに揺れる朝靄

雨に濡れた庭の花弁

滑らせるペン先

 

そんなものに似た美しさの感覚

 

悲しく暮れる夕方の狂気

深夜3時の紺色

燻る煙 

 

そんなものに似た美しさの感覚

 

そうありたいと思った そうなれなくても