ポツリ、 ポツリ
あちらの空が薄く橙色をし始める
飛行機だろうか 衛生 星 宇宙船
濡れたアスファルト 呼応
点滅していた電球が切れていたこと
星の見えない夜は涼しい
呼ぶ3時
地平線 電線 煙に巻く止まれの標識
エンジン音は無呼吸、夜の死
明け方の、街が息を返す瞬間
欲情する汗ばむシャンプーのにおい
天国でも、地獄でもない 海を
渡るラジオブルー
掃除したベランダに雨が降るような
水を替えたばかりのカップに新しい灰を落とすような
淹れたての紅茶に虫が入るような
クーラーで冷えた身体に夏が突き刺さるような
痛みを抱えて今日が輝く
気がつけば そんな時間だった
ネクタイを緩めて 今日の終わりを告げた
扇風機の音がカーテンの裏 僕を揺らす
緑色のグラスの影が逆さまに映る
職員室が、嫌いだった
本を読むこと 音楽 文字を書くこと バイト 学ぶこと 食すこと
なんだったろうか 猫の声を聞け 冷蔵庫の卵を数えるにはまだ早い
18:47 イヤホンを失くして久しぶりに使うヘッドホンと英語学習の身に入らなさ身に染みる もうすぐ雨が降る
「私たちはエイリアン」名付けられた未確認物体 さあ定義して提唱して定款して
平和を願うならばすべてに死を望もうか 青い表紙のノートが泣いている
空いた缶詰の中に残るものは何だったろうか
愛と呼ぶにはまだ早い 多分早い
焼けた夏の肌にはなにが埋められているだろうか
気づけば消える きっと消えていく
電波をなぞれ 座標軸は目前である
傷口のかたちはそれぞれなのです
1番とおい星というのは
空間一枚を隔てた隣です
ペットボトルの蓋とか 枕の裏側とか
1番の遠距離は自分のことです
壁に飾った花に 湿度が戻ることがないこと
遠い思い出に自分がいます
夏の夕暮れ生ぬるい風に 思い出す 思い出せないことを
0時を過ぎればまた 変わらない昨日
置き放し割れたグラス 漏れ出す 真っ青な約束
そんなのぜんぶ どうでもよかった