エフェメラの胎動

おまじない

なまにく

焦ることも騒めくことも手を振ることも要は勝てないんだろう表紙を平にして晒された本のようなあの人のことはどう掻きむしっても僕には届かない 届かないなんてありふれた言葉で測るあの人と僕のセンチメートル センチメンタル なんちゃって 僕が言ってやりたいことはじつは冷凍庫の中の生肉みたいで ああほら次に打ち込もうとしたキーボードのキーすら覚えていなくて 何をしようとしてたんだっけ 、何もしようとしてなかったんだっけ

ネオソフト

冷蔵庫にあたまをつっこみます

箱と容器とチューブの匂い 卵の殻の匂いもします

あったかいです

あったかいです よっぽど

空になった紙パックの壁が聳え立っています

開け放しのあの音がまるで明日のようでした

ハーモニカって、意外と使わないです

 

と。まあそんなこんなで来たわけです 海に

 

ええなんだか夜も早いのでまったくそんな感じではないのですけど

 

漣ってこれでしょうか ちがう?

じゃああれでしょうか ちがう?

なんだかむつかしいのですね

 

砂浜は黄色いのですね

あ、貝殻が踵に刺さりますね 変な虫もいますね

 

潮風ってこれなんですね これは正解な気がします

潮風はしょっぱいようなあまいようなそんな感じです しおかぜ

甘いのはあなたでしょうか 

 

それもまた正解な気がします

 

陽は正しく落ちていくのですね

 

いつかの六時半もきっと美しかったのです