エフェメラの胎動

おまじない

落とす化粧の雪の様

 

 


金木犀の匂いがした
いつ降ったのかわからない水溜りに掬われた脚が
乾いた喉が 目が
軋んでいる
ノート、いつから付けてないっけ
ノート!ノートだ そこに私がいるはずだ
風に捲られた白いページが眩しいほど
ああ スカートのよう


金木犀の匂いがした