エフェメラの胎動

おまじない

筆算で解けるもののみ

千冊の詩集と寝てみたこと

4本の鉛筆が あるいは黒が

紙の上にストンと乗っていること

連絡先を書いた手帳が失くなる

猫の尻尾を踏んだような

あるいは猫を

煙の舞う真上の天井にある

丸い白が機能していないこと

掛算は苦手だった

なまにく

焦ることも騒めくことも手を振ることも要は勝てないんだろう表紙を平にして晒された本のようなあの人のことはどう掻きむしっても僕には届かない 届かないなんてありふれた言葉で測るあの人と僕のセンチメートル センチメンタル なんちゃって 僕が言ってやりたいことはじつは冷凍庫の中の生肉みたいで ああほら次に打ち込もうとしたキーボードのキーすら覚えていなくて 何をしようとしてたんだっけ 、何もしようとしてなかったんだっけ

ネオソフト

冷蔵庫にあたまをつっこみます

箱と容器とチューブの匂い 卵の殻の匂いもします

あったかいです

あったかいです よっぽど

空になった紙パックの壁が聳え立っています

開け放しのあの音がまるで明日のようでした