チクタク時計 郵便番号
ポストにストンと届いた君の
細いひらがな いつもの匂いの
便箋燃やして 立ちゆく煙
チクタク時計 郵便番号
ポストにストンと届いた君の
細いひらがな いつもの匂いの
便箋燃やして 立ちゆく煙
コンロではなく電子レンジである
換気扇 あるいは鍵のない窓である
賞味期限 ピンク色の羊水
キッチン ママ 台所
台所はママである あるいは
千冊の詩集と寝てみたこと
4本の鉛筆が あるいは黒が
紙の上にストンと乗っていること
連絡先を書いた手帳が失くなる
猫の尻尾を踏んだような
あるいは猫を
煙の舞う真上の天井にある
丸い白が機能していないこと
掛算は苦手だった
焦ることも騒めくことも手を振ることも要は勝てないんだろう表紙を平にして晒された本のようなあの人のことはどう掻きむしっても僕には届かない 届かないなんてありふれた言葉で測るあの人と僕のセンチメートル センチメンタル なんちゃって 僕が言ってやりたいことはじつは冷凍庫の中の生肉みたいで ああほら次に打ち込もうとしたキーボードのキーすら覚えていなくて 何をしようとしてたんだっけ 、何もしようとしてなかったんだっけ
冷蔵庫にあたまをつっこみます
箱と容器とチューブの匂い 卵の殻の匂いもします
あったかいです
あったかいです よっぽど
空になった紙パックの壁が聳え立っています
開け放しのあの音がまるで明日のようでした