透明の中に青が入り込むように
睫毛の隙間に冷えた雨のにおいがうつるように
曇硝子に爪で書いた 意味のないおまじないと 汗ばむ首をかんがえて
知らないを埋める駅の雑踏に 揺り籠
透明の中に青が入り込むように
睫毛の隙間に冷えた雨のにおいがうつるように
曇硝子に爪で書いた 意味のないおまじないと 汗ばむ首をかんがえて
知らないを埋める駅の雑踏に 揺り籠
白と黒が いちばんの鮮やかです
たまに、極々たまに、この人はいつかの昔にわたくしと同じ個体、あるいは同じ個体の一部、別々の部分でもよいのですが、そういった「同じ」を共有していたものではないのかなと そう思うときがあります そういうときは この人の目ん玉、耳、手の先人差し指の爪の白いとこ、みたこともないそんなとこを 想像して それらが触れるもの、空気、ペン先、睫毛 そんなようなものを考えます わたくしは個体です しかしそうしてきっとたくさんのなにかが集まって、ドロっとして くっついて ギュウっとなったもののことなような思いもします バスの中で 四角くなった昼過ぎの空を見ているときと同じ思いです 空は一枚でしょうか そんなような気もするけど、そうでないような気もするのです 不味いとわかりながら吸ってしまうあなたの煙草のケムリが、流れて、雲の色とギュウっとなることも、また似ているようなそんなかんじなのです 煙草 煙草なんて書いてしまうとすっかり薄まってしまうような気がしますが、そこはあまり考えなくてよいのかな タイトルが未定です 決まる頃にはなにかもうひとつ
ねえ、きみにわたくしの頭ん中がわかりますか わかっていただけるのですか どうやらわたくしには到底扱えない代物なようでして、もう十数年間の付き合いですが、一度たりともなんというかこう隣を歩けたことがないような気がしまして わたくしにも何がなんだかさっぱりで、
どこもかしこも埃がたまってしまっていまして 埃と誇が同じ読みをするのが神様の唯一の間違いの中のひとつなのではないかなと思ったんです
いっつもなにかしら引っ張ってきてはやれ悲しいさあさびしいって言って本棚の背表紙に頬を引っ付けてああ冷たいなんて言ってねえ、部屋の銀色を探して探して触れてああ冷たいなんて言って、ねえ それでも窓は開かないんよ ねえ
ありがちな煙草に好きな人を重ねた詩歌
簡単にセンチメンタルになりたくて つい夜中にベランダ
コーラで酔える単純な身体で
蒸すだけだった煙草が吸えるようになった
夜は広いよ 夜も簡単な感性だね
紙みたいだよ あたし