夜がこっそり幕を開けた
僕は舞台裏からそれを見てる 見てる
僕は僕の舞台の上でも主役になれない
だれも居ないステージで
星だけが照明 証明
夜が終わるまで、赤幕の裏で
夜がこっそり幕を開けた
僕は舞台裏からそれを見てる 見てる
僕は僕の舞台の上でも主役になれない
だれも居ないステージで
星だけが照明 証明
夜が終わるまで、赤幕の裏で
なんだかぼくらは これをしってる
みっつじゃなんだか多すぎて
ふたつじゃなんだかさみしくて
ひとつじゃ必要にならなくて
だからそのままぽつんとしてる
鳴らすとおおきい音がする
引き出しの中でひとりぼっち
使われなかったクラッカー
偶数と奇数のあいだのろまんすを
疾るあなたがいそがしくゆく
うたよみんより
腐った肉が落ちていて
なんだかこちらを見ているけもの
黄色い眼球を突き抜けた針状のもの
しらない歯が欠けていた
分裂する双方向
昼間のけもの
のたうつ毛玉
浴槽に顔を沈めている
窓の桟がとても汚れている
飲んでもよいもの
入浴剤
シャンプー
化粧落とし
固形石鹸の 削られた溝に 胞子を飛ばそう
天井にシャワーを当てて 冷えた水滴を浴びる
花が咲いた こちらを見ている
窓の外は 真っ赤な壁で じいっとしている
踵の奥深く 痒い 痒い
死んでいる
なんかがあそこで死んでいる
息を絶えている
遺棄を 放ったのはだあれだ
マスクが白い 白い 白い息を吐いた
排他 だれも来ないで
だんだんねむいね ねむいね