2018-06-27 ネロリ 死ぬほど泣いた日は思い出せるのに 死ぬほど笑った日が思い出せない 正しい脈拍を探している まっさら綺麗に白い手首に 左手を寄せても 聞えるのは風の音だけ 滑っていくほど美しかった 貴方の腹部 木目みたいに通る静脈に 針を刺したらどれだけ 綺麗に流れるだろうと思った 唾液でさえ 刃物を持っていない 爪を見る 突き立てる 貴方の赤色が見たくて 牛乳を毎日飲んだよ 風が吹いている 網膜が割れる 風が吹いている