2016-07-06 残夏 閉じ込められた蠍のキーホルダーを持っている 小さな古着屋さんで買った 飴色のキーホルダー 私はそれを鞄につけて ゆらゆらと 自分が人間であることに憤怒し 後悔し それでも閉じ込められた蠍は いまこれから動き出すことはなく ただただ飴色に包まれて こちらをじいっと見つめている その、どこにあるかわからない瞳を 私は少し羨ましく思う