夏の夕暮れ生ぬるい風に 思い出す 思い出せないことを
0時を過ぎればまた 変わらない昨日
置き放し割れたグラス 漏れ出す 真っ青な約束
そんなのぜんぶ どうでもよかった
夏の夕暮れ生ぬるい風に 思い出す 思い出せないことを
0時を過ぎればまた 変わらない昨日
置き放し割れたグラス 漏れ出す 真っ青な約束
そんなのぜんぶ どうでもよかった
夜なんて簡単に酔える
大きな黒い幕を吸い込んで すこしの氷を齧ればいい
簡単だ 午前一時は簡単な悲しみだ
毎晩を吸い込んで 身体に回る黒を舐めつければいい 苦いのは自分のこと
古くなったラジオ 下手くそな異国語を瞳の後ろ側に通している
楽しそうな顔で歩く
嬉しそうな声で笑う
愉快や愉快 馬鹿みたい
嫌いな嫌いを睨みつけ 食い下がる蛇
棚に上げて泣く
後ろ手に絶望して
終わりのついでに始めている
死ぬついで 死なないで
愉快や愉快 不快です
買った本を読まなかった日があった
ママのご飯を食べなかった日があった
虫刺されをそのままにした日
ペットボトルを開け放しにした日
充電の切れた端末を
カーテンを
洗濯を
過ぎていくだけ
遊園地の帰り道に見た高速道路 電灯の残影
乾いた口で 指をなぞる
心身恋慕と嘆きつつ
所謂憂いを拭えずに
頸に付着た光苔
あれよあれよと言うままに
あれやこれやと言う鳥を
鳴いて殺した夏初め
切って揃えた睫毛へと
鼻先0.5cm先の壁と対峙する