エフェメラの胎動

おまじない

 

 

 

美しい人が、好きだと思う

 

顔や身体でなく、たとえひたひたに隠しても滲んでくるような「うつくしいひと」が好きだと思う

 

言葉や、所作や、髪や そんなところ

ふんわりとかおる「うつくしさ」が好きだ

 

完全にわたしの物差しであって、わたしの「うつくしい」の感覚である 

 

レースのカーテンに揺れる朝靄

雨に濡れた庭の花弁

滑らせるペン先

 

そんなものに似た美しさの感覚

 

悲しく暮れる夕方の狂気

深夜3時の紺色

燻る煙 

 

そんなものに似た美しさの感覚

 

そうありたいと思った そうなれなくても