2017-01-31 餞別 君に唄を書いた 誰も知らない 誰も知らない唄を きっとみんな知らない 机の上に書き置いた一枚の便箋に 一行の詩と 三行の懺悔と たった四文字のまぎれもない言葉を 君のために残したことを 忘れて仕舞えばいい そのまま忘れて仕舞えばいい 君も知らない きっと知らないままだ . ある朝に 机の引き出しの奥から くしゃくしゃになってしまった宛名のない封筒が きっとおはよと咲くだろう その頃にはもう 親指の火傷も 忘れたように綺麗なままに