寝てないよ涅槃だよ

おまじない

吊り広告に火花が飛ぶ

進め夏!破滅 山手線を二周していたあの人は黄色い点線の内側に入れなくて どこかへ行った 駅の公衆電話をガチャガチャガチャガチャガチャ 大事なことはいつも一番小さい字でおまえに見えないように書かれている 傘にヤニ べったりとした悪意を噛み捨てのガ…

ネロリ

死ぬほど泣いた日は思い出せるのに 死ぬほど笑った日が思い出せない 正しい脈拍を探している まっさら綺麗に白い手首に 左手を寄せても 聞えるのは風の音だけ 滑っていくほど美しかった 貴方の腹部 木目みたいに通る静脈に 針を刺したらどれだけ 綺麗に流れ…

涼しいのがお好き

冷蔵庫の二段目 首を折り曲げて 頭を突っ込んだ 動かない貴女を 途切れた記憶で 明日もちょっと 待っている僕が 居たりなどする

牛乳屋さん

「なくしたものって、どこに行ってるんだろう」 目の前を茶色い猫が通り過ぎる 指紋のついた眼鏡 煩わしいのは視界だけではなかった 「眼鏡に雨がつかないようにしてほしい」 すっかり曇った空はまっしろに牛乳みたいにぺかぺかしていたけど、明日も明後日も…

白い紫陽花が部屋に咲いた

すきま風 薄ら白い昼間の雲と煙が溶ける 融解、誘拐、幽界の断片 白いつば付き帽子の影をするりと抜ける 透ける 破れた毛布の中身をぐちゃぐちゃに 騒ぎ喚いても

hole all

パッパラパ 西瓜があまりにも軽々しいので割ってみるとそこは空洞でした 無い身 椎の木 待てば思惟 朱色 底に残った虫と種子 残念だ

踏み荒らした花を母が綺麗ねと言って落ちる午下りの夏

絶え間ない他殺 絶え間ない他殺 痰を吐き切って 刮げ落ちた頬に手を寄せる 破壊された花壇 破壊された花壇 真空パック 躑躅に口を 蟻 、蟻 、蟻 這わす陶器の皮膚 花壇は焼かれ焦げた 煤を掻き集めて 白い君の喉へ

水辺に帰依していく深層

荒れる水流の中のようで 人魚にでもなれたら息が通るのかもしれないなんて 人魚姫じゃなくていいからさ 水族館 水族館に行きたいな 海で生きているのに 小さすぎる水槽に閉じ込めているのを なんでだろうと思ったこと それでも私は金槌だから 泳ぐ魚を暗い部…

「私がいなくってかなしくなっちゃえばいいんだよ」「ひとりで喫茶店」「青いクリーム」「汚くなる灰皿」「今日は帰らないから、ごはんはひとりで食べてね」「眠るのも」「朝も」「これからも」「ね」

また、夏が来るよ

どうでもよかったはずの夕暮れ 笑って手を振る 何故、と言えなかった 焼け落ちた空には海が近い 忘れるはずだった 忘れたかった 遥か彼方まで遠く続く白い雲に もう覚えていない記憶を呼び起こして 写真には残っていない 青い制服のベルトを折り上げている …

水族館の帰り道

ダイビング 部屋のランプを青色にして 鮫の縫い包みを枕に 破けた布団の羽毛を吸い込んで 溺没 水の音が段々血の音に聞えてくる 絶え間ない煽情 何処にいるかわからなくなってくるから 肌に爪を立てていた 違うことにした 見ないことにした 派手な電飾の繁華…

アマチュア無線部

爪の裏側は甘いのだなと思った 媒体を通して通信する僕たちの電波 伝播 広がる詩体 転がる肢体 夏は檸檬 爆弾を仕掛ける開演 にやりと笑う君を横目に 僕は一杯の紅茶を飲み切れず流す 砂糖 解毒 回転する十字路

sorrysosorry

今日は久しぶりに月が見えたよ そういえば、いま月が見える時間、外にいないことが多いな 自分で忙しくするのは癖だけど、 何かに忙しくされるのは嫌だな 部屋がまた、汚くなった ゆっくり片付ける時間がないな 時間がないな 私もみんなも せかせかしてると…

7分30秒と沈黙 (傘と包帯 第4集)

https://note.mu/kasatohoutai/m/ma634d9704f40 寄稿 主催 早乙女まぶた 様

♡Aだけのトランプ箱

赤い彼女は、マークジェイコブスの鞄を被っている 透明な約束 小さな冷蔵庫に、白桃のゼリーだけが入っていた 溜まっていく無料のスプーン 指輪入れのワイングラス リボンを折りたたむ時だけ レースを結ぶときだけ 少女になれた 割れた香水瓶を 灰皿にして

必要事項

⑴ 消音 ⑵ ふた口分の水 ⑶ 想像の想像 ⑷ 花 ⑸ 冷えた窓 ⑹ 昨日の夢 (覚えていなくてもよい) ⑺ 爪 ⑻ 電灯 ⑼ ベッドとカーテンの隙間 ⑽ 白い画用紙

小さい頃ママに付いていったスーパーの海鮮売り場が嫌いだった

まるいちきゅう マルイの地下の 生鮮食品売り場にある 魚の丸い目 焦がれていたのでしょうか 見つめて動けずにいた 冷えた鼻先 匂う終わりに

墓地@郵便局

こんばんは。 なんだかついこの間まで暖かかったのに 途端に冷えた風が吹くようになります。 そちらはいかがですか? この前は、電車に乗っていたら窓に小さな犬が二匹 空が真っ白でいい天気ですね 牛乳は好きですか?僕は好きです。 この前コップを落として…

読み込みを待つほどの

プラズマ 光る 1 深海だと仮定してみよう 浮かぶデスクトップの青 回る 回る 犬 液晶 反射する01秒

‪なんだか今夜は明るかった。 眼鏡を失くしてよく見えない目に、薄っすらと輝いているぼやけた星が、なんだかさみしくてちょっとだけ胸がきゅうとなった。 なんだかいつか、空一面にきらきらとひろがる綺麗なものを見た記憶がある 時間か、私か、わからない …

三稜鏡

明らかにきらきら 参る 瞼がチクチクと 侍らせて 撫で付けて そのまま溶かして 浮遊する熱帯魚 極彩色の多面体 明朗 時に迷路 伸びた爪が するすると這う 罅割れた靴底

しなやかせぼね

しなやかに 背骨 昔見た図鑑の 見たことないいきもの黄金比 波を立てる 伝う背骨

美しい人が、好きだと思う 顔や身体でなく、たとえひたひたに隠しても滲んでくるような「うつくしいひと」が好きだと思う 言葉や、所作や、髪や そんなところ ふんわりとかおる「うつくしさ」が好きだ 完全にわたしの物差しであって、わたしの「うつくしい」…

無い物強請り

‪羽が欲しかったんです 鴉のような ‬ ‪時々夢を見ます 黒く複雑に反射する羽が生えた 真白い空を真っ直ぐに見つめる私の夢を まるで絵画のようでした ‬ ‪羽が欲しかったんです 白鳥のような‬ ‪時々夢を見ます 白く透明に輝く羽が生えた 深く青い水の底を真っ…

硝子に屈折、足して雑音

‪例えば六面体の水槽‬ 魚が3匹 こぽ、酸素が逃げる音へ 転がる 製氷機の稼働音が夜を溶かした カーテンの裏の君が 終わる (光源) ‪重なるふくらみを息で‬ なぞる 3つ目の角を、左へ 小さな坂が 緩やかな宙に円を描いた 引出しにしまった小さな僕へ アルバム…

20180314

枕辺に置去り 水の透明は形も消えて流れ行く音 ひらいた猫の尻尾の先に赤い花を刺したりしてみてください グッドバイロングバケーションいつの日かまた会う日までどうか元気で

巡拝

薄く黄色と灰色の階段を 踊りながら二回往復 10 回路 1 春を燃やして 叩き落とした煤の色 目線を合わす 少し痛む下の歯を舐めたようだ 不機嫌な所以 怪訝 冷たい目線

せいかつ

‪「昔の恋の話をします」 そう言ってすぐ 彼はどこかへ行ってしまった

そちらはどうですか

そちらはどうですか こちらはちょっと強い風がふいています そちらはどうですか 昨日植木鉢の花が咲きました 名前がちょっと思い出せませんが、とてもかわいいです あまりにもかわいいので、摘んで標本にしてみました 綺麗です 贈ります

夜の淵に流し込んだ狂気を、 どう捏ねたらここまで美しい紺色になっただろう