寝てないよ涅槃だよ

おまじない

ゲロ

教授の講義 3回同じ話 トーストにバターを塗るときみたいに しゅわしゅわ溶けてしまいたい 公園のベンチはススキ色 ぼろぼろのおじさんが座ってる いつも 紙飛行機の折り方を忘れた いつも、ぐにゃんと変な円を描いて 一番最初に墜落した 折り方を忘れた い…

甘い匂いの背を追い ライターで溶かした袖を食む 誰も少し宙を見ている 駅員 助長する常套句

feat.譫妄

広告しか入っていない郵便受に迎えられながら帰宅した ただいまという声に震えた空気が死にかけの蝶みたいに揺れて過ぎる 電気のスイッチを付けたような気がした ぼう、と小さく唸る冷蔵庫 じい、と鳴り続ける 何が 外壁 まな板の傷痕 蠅の卵 口寂しくて爪を…

ウルメール・ミュンスターの花瓶より

彼女は泣いておりました 母が悲しいお話をするので いくつも夢をみましたが 幾千の星には届きませんでした 彼女は泣いておりました 雨にふやけてしまった本を暖炉に翳しながら 猫は振り向かず歩きます ひとりで居たいのです 彼女は泣いておりました ラブレタ…

shiawase

揺れる蛸 歓迎されなかった固有名詞は どこへ向かう 1.7メートル毎秒のぬるい風 隠れ場所の外階段は濡れて 待ち惚けの僕 引っかかって抜けた白い髪を 食んで もどってゆく細胞 あと15分 冴えてしまった深夜の意識を抱えている o beata solitudo , o sola bea…

2018 夏の終わりにて

沖にいる君を救命ボートにて迎えど珊瑚の墓標と出会う 冷えた朝 頭が下で足が上 先生、私は時計が読めぬ 壁際に張り付く小さな意識にて 昨日の晩は何をしていた 変わり目は少し具合が良くなくて全体的に白っぽいから

裸足とリトルアニー

外に出ると雨が少しだけ降っていた シャワーを浴びてもほんのり匂う香水 あの時のギャルは元気にしてるかな 好きだった先生はもう結婚したかな 欠けた歯の跡を舌でなぞった もうずっと全部忘れた振りをした 身体中におまじないをかけて よく見えない目で銀色…

透明で 青い 反射する かみさま

依然として凛

好まぬ人から贈られど 花は変わらず美しい 見知らぬ人から渡されど 金は変わらず金のまま

現在地、自宅 帰りたい

シフト表に丸がついている四角を 凝視する これといって面倒くさい 舐めた靴紐 擦り切れて 夜風に羽虫 凝視する 帰りたい 何故の赤色 如何の白色 シフト表を凝視する この日は確か

羽虫と群舞

電車とホームのあの隙間に 吸い込まれるように落ちる脚を 終電は人が多いから いつも少し前に乗る 乗りはぐってみたい 甘い匂いの裏道を 踊る ネオン 綺麗 虫がいなくなった 綺麗だ

ピーキー・ドッグ

https://note.mu/kasatohoutai/n/n5beba7083ea5 寄稿しました。夏でしたね

名前すら知らない雑草のような花

あの時、私は確かに暴発した 本を投げて 叫び ドアをこじ開けて 逃げ出した 終電がまだあった 遠くまで行ってしまえばよかった 所詮の数十メートル 疲れて座り込んだ ドアにぶつけた膝が青い 痛い なにをしてるんだろう 何がしたいんだろう どうにもなるわけ…

吊り広告に火花が飛ぶ

進め夏!破滅 山手線を二周していたあの人は黄色い点線の内側に入れなくて どこかへ行った 駅の公衆電話をガチャガチャガチャガチャガチャ 大事なことはいつも一番小さい字でおまえに見えないように書かれている 傘にヤニ べったりとした悪意を噛み捨てのガ…

ネロリ

死ぬほど泣いた日は思い出せるのに 死ぬほど笑った日が思い出せない 正しい脈拍を探している まっさら綺麗に白い手首に 左手を寄せても 聞えるのは風の音だけ 滑っていくほど美しかった 貴方の腹部 木目みたいに通る静脈に 針を刺したらどれだけ 綺麗に流れ…

涼しいのがお好き

冷蔵庫の二段目 首を折り曲げて 頭を突っ込んだ 動かない貴女を 途切れた記憶で 明日もちょっと 待っている僕が 居たりなどする

牛乳屋さん

「なくしたものって、どこに行ってるんだろう」 目の前を茶色い猫が通り過ぎる 指紋のついた眼鏡 煩わしいのは視界だけではなかった 「眼鏡に雨がつかないようにしてほしい」 すっかり曇った空はまっしろに牛乳みたいにぺかぺかしていたけど、明日も明後日も…

白い紫陽花が部屋に咲いた

すきま風 薄ら白い昼間の雲と煙が溶ける 融解、誘拐、幽界の断片 白いつば付き帽子の影をするりと抜ける 透ける 破れた毛布の中身をぐちゃぐちゃに 騒ぎ喚いても

hole all

パッパラパ 西瓜があまりにも軽々しいので割ってみるとそこは空洞でした 無い身 椎の木 待てば思惟 朱色 底に残った虫と種子 残念だ

踏み荒らした花を母が綺麗ねと言って落ちる午下りの夏

絶え間ない他殺 絶え間ない他殺 痰を吐き切って 刮げ落ちた頬に手を寄せる 破壊された花壇 破壊された花壇 真空パック 躑躅に口を 蟻 、蟻 、蟻 這わす陶器の皮膚 花壇は焼かれ焦げた 煤を掻き集めて 白い君の喉へ

水辺に帰依していく深層

荒れる水流の中のようで 人魚にでもなれたら息が通るのかもしれないなんて 人魚姫じゃなくていいからさ 水族館 水族館に行きたいな 海で生きているのに 小さすぎる水槽に閉じ込めているのを なんでだろうと思ったこと それでも私は金槌だから 泳ぐ魚を暗い部…

「私がいなくってかなしくなっちゃえばいいんだよ」「ひとりで喫茶店」「青いクリーム」「汚くなる灰皿」「今日は帰らないから、ごはんはひとりで食べてね」「眠るのも」「朝も」「これからも」「ね」

また、夏が来るよ

どうでもよかったはずの夕暮れ 笑って手を振る 何故、と言えなかった 焼け落ちた空には海が近い 忘れるはずだった 忘れたかった 遥か彼方まで遠く続く白い雲に もう覚えていない記憶を呼び起こして 写真には残っていない 青い制服のベルトを折り上げている …

水族館の帰り道

ダイビング 部屋のランプを青色にして 鮫の縫い包みを枕に 破けた布団の羽毛を吸い込んで 溺没 水の音が段々血の音に聞えてくる 絶え間ない煽情 何処にいるかわからなくなってくるから 肌に爪を立てていた 違うことにした 見ないことにした 派手な電飾の繁華…

アマチュア無線部

爪の裏側は甘いのだなと思った 媒体を通して通信する僕たちの電波 伝播 広がる詩体 転がる肢体 夏は檸檬 爆弾を仕掛ける開演 にやりと笑う君を横目に 僕は一杯の紅茶を飲み切れず流す 砂糖 解毒 回転する十字路

sorrysosorry

今日は久しぶりに月が見えたよ そういえば、いま月が見える時間、外にいないことが多いな 自分で忙しくするのは癖だけど、 何かに忙しくされるのは嫌だな 部屋がまた、汚くなった ゆっくり片付ける時間がないな 時間がないな 私もみんなも せかせかしてると…

7分30秒と沈黙 (傘と包帯 第4集)

https://note.mu/kasatohoutai/m/ma634d9704f40 寄稿 主催 早乙女まぶた 様

♡Aだけのトランプ箱

赤い彼女は、マークジェイコブスの鞄を被っている 透明な約束 小さな冷蔵庫に、白桃のゼリーだけが入っていた 溜まっていく無料のスプーン 指輪入れのワイングラス リボンを折りたたむ時だけ レースを結ぶときだけ 少女になれた 割れた香水瓶を 灰皿にして

必要事項

⑴ 消音 ⑵ ふた口分の水 ⑶ 想像の想像 ⑷ 花 ⑸ 冷えた窓 ⑹ 昨日の夢 (覚えていなくてもよい) ⑺ 爪 ⑻ 電灯 ⑼ ベッドとカーテンの隙間 ⑽ 白い画用紙

小さい頃ママに付いていったスーパーの海鮮売り場が嫌いだった

まるいちきゅう マルイの地下の 生鮮食品売り場にある 魚の丸い目 焦がれていたのでしょうか 見つめて動けずにいた 冷えた鼻先 匂う終わりに