ねえ、きみにわたくしの頭ん中がわかりますか わかっていただけるのですか どうやらわたくしには到底扱えない代物なようでして、もう十数年間の付き合いですが、一度たりともなんというかこう隣を歩けたことがないような気がしまして わたくしにも何がなんだかさっぱりで、
どこもかしこも埃がたまってしまっていまして 埃と誇が同じ読みをするのが神様の唯一の間違いの中のひとつなのではないかなと思ったんです
ねえ、きみにわたくしの頭ん中がわかりますか わかっていただけるのですか どうやらわたくしには到底扱えない代物なようでして、もう十数年間の付き合いですが、一度たりともなんというかこう隣を歩けたことがないような気がしまして わたくしにも何がなんだかさっぱりで、
どこもかしこも埃がたまってしまっていまして 埃と誇が同じ読みをするのが神様の唯一の間違いの中のひとつなのではないかなと思ったんです
いっつもなにかしら引っ張ってきてはやれ悲しいさあさびしいって言って本棚の背表紙に頬を引っ付けてああ冷たいなんて言ってねえ、部屋の銀色を探して探して触れてああ冷たいなんて言って、ねえ それでも窓は開かないんよ ねえ
ありがちな煙草に好きな人を重ねた詩歌
簡単にセンチメンタルになりたくて つい夜中にベランダ
コーラで酔える単純な身体で
蒸すだけだった煙草が吸えるようになった
夜は広いよ 夜も簡単な感性だね
紙みたいだよ あたし
美しく書き始めたの新しいノート
古ぼけた下敷き使って でも
先生はまったくチョーク触らないし
うしろのだれかの寝息うるさい
チャイムでリセット今日の講義
おなかすいたのトンネルくぐって
近くて見えないもの
眼鏡の縁の青色
冷えた鼻先
眉毛の上のにきび
そんなもの そんなような
近くて近くて見えないもの
なんていうんだろうな
朝からジュースの缶、おとして
なんかあの指、引っ掛けてぷしゅってするとこ
あそこが取れちゃってさ
飲めないでやんの
そんでなにがあれってさ
なんか面白くなっちゃって 真顔で笑って
まだ冷蔵庫に入れてある
どうしたらいいかわかんなくってさ
どうにかできるんだけど
たまにそれ ながめて
明日も生きてやるかって思ってる