ありがちな煙草に好きな人を重ねた詩歌
簡単にセンチメンタルになりたくて つい夜中にベランダ
コーラで酔える単純な身体で
蒸すだけだった煙草が吸えるようになった
夜は広いよ 夜も簡単な感性だね
紙みたいだよ あたし
ありがちな煙草に好きな人を重ねた詩歌
簡単にセンチメンタルになりたくて つい夜中にベランダ
コーラで酔える単純な身体で
蒸すだけだった煙草が吸えるようになった
夜は広いよ 夜も簡単な感性だね
紙みたいだよ あたし
美しく書き始めたの新しいノート
古ぼけた下敷き使って でも
先生はまったくチョーク触らないし
うしろのだれかの寝息うるさい
チャイムでリセット今日の講義
おなかすいたのトンネルくぐって
近くて見えないもの
眼鏡の縁の青色
冷えた鼻先
眉毛の上のにきび
そんなもの そんなような
近くて近くて見えないもの
なんていうんだろうな
朝からジュースの缶、おとして
なんかあの指、引っ掛けてぷしゅってするとこ
あそこが取れちゃってさ
飲めないでやんの
そんでなにがあれってさ
なんか面白くなっちゃって 真顔で笑って
まだ冷蔵庫に入れてある
どうしたらいいかわかんなくってさ
どうにかできるんだけど
たまにそれ ながめて
明日も生きてやるかって思ってる
いつかひとりの猫と暮らすことになったらけむりと名付けようと思っていた
しかし猫はきっと
自らの名を決めているのだろうと思うと
それを教えてほしくてわたしは泣くことしかできない
猫はわたしをなんと名付けているのだろう
呼んでくれよ 呼んで
チクタク時計 郵便番号
ポストにストンと届いた君の
細いひらがな いつもの匂いの
便箋燃やして 立ちゆく煙