寝てないよ涅槃だよ

おまじない

エフェメラの胎動 (傘と包帯 6集 寄稿)

 

 

 

 

「こんばんは、兎です」


白い目で見てくれ 此方には彼方
遠くの水辺の過去を憶え
べたついたてのひらに波を描く

 

そう致しましたら 宜しく……

 

窓際の瓶に水を差す
石鹸水の漣
花が開くのを静かに待っている
窓際の瓶 罅 水路

 

粘膜に張り付いた余白に街を見る
消えかけた気配
振り向かない かつてそうであったように

 

ゆらり

 

鼓動が聴こえる 
宿木に灯る明かりが蠢いている

 

此処は彼方 小さな声

https://note.mu/kasatohoutai/n/n092da1f1483d

 

 

 

 

白樺、粘膜

 

 

眠る時の呼吸

彩を纏う鼓動

布を揺らす

鏡を打つ

冷えた鼻先

口先の余熱

意味を包む

甘い爪

張った線

地をなぞろう

灰を浮かべよう

暖まっていく電器

ぬるくなる 涎

衣を剥ぐ

呼吸に委ね

戸を披く

 

 

 

ゲロ

 

 

 

教授の講義 3回同じ話

 


トーストにバターを塗るときみたいに

しゅわしゅわ溶けてしまいたい

 


公園のベンチはススキ色

ぼろぼろのおじさんが座ってる いつも

 

 

 

紙飛行機の折り方を忘れた

 


いつも、ぐにゃんと変な円を描いて

一番最初に墜落した

 

 

 

折り方を忘れた

 

 

 

いつまでたっても

思い出せない

 

 

 

 

feat.譫妄

 

 

広告しか入っていない郵便受に迎えられながら帰宅した

 

ただいまという声に震えた空気が死にかけの蝶みたいに揺れて過ぎる

 

電気のスイッチを付けたような気がした

 

ぼう、と小さく唸る冷蔵庫

 

じい、と鳴り続ける

何が

 

 

外壁

 

まな板の傷痕

 

蠅の卵

 

口寂しくて爪を舐める

 

 

Happy Birth Day