寝てないよ涅槃だよ

おまじない

unencount

 

 

貴方の名前を知ることで

貴方を知った気になって居る

 

開かれた窓にカーテンが掛かる

 

届くようで

届かぬ歩幅

 

いっそ獣に

成ってみようか

 

覆い尽くす影と温度

 

貴方がその戸を拓く時

私はそれを知ってはいけない

 

 

虫の鳴く声

 

何処にいるのでしょう

 

 

 

 

 

 

「君が死んだら、僕は忘れるまで毎日君のことを思い出す だから安心して」

 

夢の中で友人が言った

 

 

私は泣いた

悲しくて泣いた

 

私が死んだら

彼はいつかまで毎日私の死を想うのだ

 

 

 

そんな残酷なことがあるだろうか

 

 

 

そんな残酷なことをさせられるだろうか

 

 

 

起きたら私は泣いていた

起き抜けに更に泣いた

枕が洗いたてのようになった

 

 

 

 

エフェメラの胎動 (傘と包帯 6集 寄稿)

 

 

 

 

「こんばんは、兎です」


白い目で見てくれ 此方には彼方
遠くの水辺の過去を憶え
べたついたてのひらに波を描く

 

そう致しましたら 宜しく……

 

窓際の瓶に水を差す
石鹸水の漣
花が開くのを静かに待っている
窓際の瓶 罅 水路

 

粘膜に張り付いた余白に街を見る
消えかけた気配
振り向かない かつてそうであったように

 

ゆらり

 

鼓動が聴こえる 
宿木に灯る明かりが蠢いている

 

此処は彼方 小さな声

https://note.mu/kasatohoutai/n/n092da1f1483d

 

 

 

 

白樺、粘膜

 

 

眠る時の呼吸

彩を纏う鼓動

布を揺らす

鏡を打つ

冷えた鼻先

口先の余熱

意味を包む

甘い爪

張った線

地をなぞろう

灰を浮かべよう

暖まっていく電器

ぬるくなる 涎

衣を剥ぐ

呼吸に委ね

戸を披く