寝てないよ涅槃だよ

おまじないと詩歌とメモ切れ

鷹の爪って、お米にいれるやつだっけ

 

 

爪に色を塗る 理由を教えてと彼女が言う その目がなんだか冴えて どこかなにかを探しているみたいだったから 何も言わずに伸びた白をバチンと切ってやった 粉々になった 粉々になったよ 毎日同じ日 昨日も明後日も だからなにも思い浮かばないんだろ 小さな瓶から とぷんとした筆を取ること 生臭いピンクと白が 黒く青くなっていくのを シンナーみたいな匂いが消えることを待つのを でも君は なにも知らなくてもいい 

 

 

答え

 

 

「例えば ものを落とす 下に落ちる ただ果たして それが落下しているのか 地面が上昇しているのか 例えば 僕が歩く 道が進む ただ果たして 僕が歩んでいるのか 道が後退しているのか 僕は学がないからわからない でも それでもペンは机から落ちるし 僕は後ろには歩いていけないのです」

凍傷

 

 

「知らないよ」

 マイナス20点

「どっかいっちゃえばいいじゃん」

 雨が降る

「よくそんなひどいこと言えるよね」

 冷たい爪先

「口紅、いらない」

 濡れている枕

「知らない」

 線と点

 

 それでは

 

 

 

 

 

 

 

UFO

 

 

「こうしている間に、幾万もの時間が流れて いくつも死んでいくつも生まれているらしいから なんかしておいたほうがいいかな」

 彼女はこういうことを言いはじめるときまって冷蔵庫を開けてみたり靴箱の靴を出しては入れてみたり ラジカセに詰まった埃なんかをつついてみたりする

「地球が回っているというより なんかもっと違うものが回ってるんだと思うんだよね」

腹が減った 戸棚のパスタを茹ではじめる 塩がない

「海のためのバケツのフチがここで、わたしたちがフチコさん」

海から取った塩はパスタに使えるのだろうか

「隣の花屋さん チューリップがないの 球根はあるのに」

塩がない

「爪の青い子を見たの 空と海どっちからきたと思う?わたしはね 駅前の喫茶店のガラスがいいとおもう」

買い貯めのが戸棚にあるはず

「UFO UFOって言うけど、うちゅうの人が見たらきっとクルマもヒコウキも UFOだよね」

俺たちがうちゅうじんか 

「悪くないって顔してる」

悪くない

 

 

 

 

残りの0%は枕の下に

 

 

 

ブルーベリー ブルーベリー

 

手の先に 爪の隙間に

 

こびりついた 紫色

 

永遠に 100%のしあわせが

 

こないのは

 

わたしのせい かみさまのせい

 

ぬるくなったヨーグルトを

 

口の端につけたまま ああなんて

 

絶えたものだろう

 

 

 

薄く伸びた雲は大好きな白い紙

 

おはよう


寝惚けた顔を朝の太陽に沈めるのはすこし恥ずかしい
昨日の夜はね、流れ星が見えたんだ
シッカロールのかおりをくゆらせた風が肌をくすぐる
うちには庭がないから
鉢植えでも買ってこようか
ぼくだけの ちいさな庭 すこし嬉しいね
内と外をつなぐピンクのカーテンが鼻先を弄んだ

 

あんまりおなかすいてないなあ
牛乳をふたくち胃に流し込んでいる

 

さあ今日はこれからどうしようか
学校には、もちろんいくよ
新しい下着が欲しいな
無くしたリップクリームと
あとはすこし 美味しいお菓子を買って帰ろう

 

ああ冬だ
と、呟くと そうだよ と答えるみたいな白い煙が泳ぐ

 

はじまりと、おわり

 

白と、黒

 

さあおやすみなさい、夜 今夜また会いましょう